発語と発達障害の関連性|発語が遅れる理由や対処法

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発達障害(神経発達症)が知られるようになってきたのは、ごく最近のことです。発達障害のお子さんとの関わり方や、具体的な支援について悩んでいる方は、まだまだ多くいらっしゃいます。
本記事では、発達障害と発語の関連性について、網羅的に解説していきます。

「発達障害と発語の関連性とは?」
「発語が遅れる理由として考えられるものは?」
「発語を促すためにできることを知りたい」

放課後デイサービスに興味のある方や、申し込みを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

発語とは

赤ちゃんの発語とは、言語の初期段階における言葉の発声を指します。最初は「あーあー」といった単純な音から始まり、成長とともに音のバリエーションが増え、周囲の言葉をまねたり反応したりするようになり、およそ発語へと至ります。
この時期の発語は、言語発達の基礎となり、コミュニケーション能力の発達に重要です。
親が赤ちゃんとコミュニケーションを取りながら、言葉の理解や発話を促すことが育成に役立ちます。

赤ちゃんの発語はいつ頃から?

赤ちゃんの発語には個人差がありますが、一般的には生後9ヶ月ごろから始まると言われています。遅くても、1歳6ヶ月頃から始まります。最初は「あー」といった無意味な音から始まり、段階を踏むのが一般的です。
赤ちゃんの発声や発語を観察したり、応じたりすることで、言語の発達を促すことが大切です。

発語の段階

発語は次の段階に分けられます。

  • 3ヶ月〜:発声(喃語ともいえない口から出る音|「あー」など)
  • 1歳前半〜:喃語(まだ言語とはいえない意味のない音声|「ばぶー」など)
  • 1歳後半〜:命名の爆発(平均5語、多くても20語を覚え扱う)・1語文(1単語での意思疎通|「おやつ」「ちょうだい」など)・第一質問期(「これなに?」など)
  • 2歳前半〜:語彙爆発(扱う語彙が約300語まで増える)・2語文(2単語での意思疎通|「おそと、いく」など)
  • 2歳後半〜:3語文(3単語での意思疎通|「まま、ジュース、ほしい」など)・多語文(4単語以上での意思疎通|「のど、かわいた、おちゃ、のむ」など)

当然、これらは統計上であり、実際は大いに個人差があります。

発語が遅れる理由

ここからは、お子さんの発語が遅れる理由を次の5つに分けて解説していきます。

  • 聴覚障害
  • 対人関係
  • 知的障害・発達障害
  • 機能障害
  • 周囲の環境

それぞれご参考ください。

聴覚障害

聴覚障害は、発語の遅れの原因のひとつとして考えられます。これは、聴力が低下しているためコミュニケーションが困難になり、その結果として言葉の習得に遅れが生じるためです。
とくに、聴力の低下が早期に発見されず、発達障害と勘違いされる場合が少なからずあります。このようなケースでは、本来は聴覚の問題が根本的な要因であるため、耳の聴力検査を受けることが重要です。
正しい診断と適切な支援を受けることで、聴覚障害を持つお子さんたちは適切に言語とコミュニケーションを発達させることができます。

対人関係

発語が遅れる理由のひとつは、対人関係の困難さです。お子さんが言葉を発する際には、コミュニケーションや社会的なスキルが必要となります。
しかし、発達障害や自閉症スペクトラム障害のお子さんたちは、他人との関わりやコミュニケーションが苦手な場合があります。
そのため、言葉の発達に遅れが生じることがあるわけです。
これにより、他者とのコミュニケーションや関係構築が困難になり、言語習得の遅れがさらに深刻化する場合があります。
適切な支援や療育プログラムを通じて、対人関係のスキルを向上させることは、発語の促進に役立つ重要な取り組みです。

知的障害・発達障害

知的障害や発達障害も、発語の遅れの原因として考えられます。これは、認知能力や情報処理の遅れが言語の習得に影響を及ぼすためです。
知的障害では思考や理解力が制限され、発達障害では情報の処理やコミュニケーションの困難さが見られます。
その結果、言葉の習得や表現能力に遅れが生じることがあります。

また、発達障害の場合は、逆に言語能力が著しく高い場合があるだけでなく、ほとんどの発達障害児が幼少期に言語の遅れを取り戻すことも知っておいてください。
適切な支援や個別指導を通じて、認知やコミュニケーションスキルの向上を図ることが重要です。
早期の診断と適切なサポートにより、言語の発達を最大限に支援することができます。

関連記事:発達障害とは?特徴、具体的な接し方を紹介

機能障害

機能障害は、発語の遅れの原因のひとつです。脳や神経系の機能に問題があるため、言語の習得が困難になることがあります
たとえば、脳損傷や神経発達異常が挙げられます。これにより、言葉の発話や理解に遅れや支障が生じることがあるのです。
早期の診断と適切な治療や療育プログラムを通じて、機能障害に対するサポートを行い、発語能力の向上を図ることが重要です。

周囲の環境

周囲の環境の影響もまた、発語の遅れの原因につながることがあります。十分なコミュニケーションを取らないなどの理由で言葉の刺激が不足している場合、発語能力の発達が遅れることがあります
また、ストレスや不安な環境も発語の妨げとなります。適切なコミュニケーション環境を整えてストレスを軽減することで、言語の発達を促すことが重要です。
早期の関与と適切なサポートにより、発語能力を向上させることができます。

発語を促すためにできること

次に、発語を促すためにできることを見ていきましょう。
ここでは、以下の6つを解説していきます。

  • たくさん話しかける
  • お子さんの言葉に反応する
  • いいまちがいを指摘しない
  • 先回りしてしゃべらない
  • 絵本を読み聞かせる
  • 短い単語を使う

それぞれ確認してください。

たくさん話しかける

発語を促すためには、お子さんに対してたくさん話しかけることが効果的です。言葉の刺激を与えることで、言語習得を促進させることができます。
日常生活のなかで、一緒に遊びながら色々なことを話しかけることや、絵本や歌を共有することが有効です。
また、お子さんの関心や興味に合わせて話すことで、お子さんが積極的に参加しやすくなります。
親や保育者の方が積極的に対話することで、お子さんの言語発達を支援できます。

お子さんの言葉に反応する

お子さんの言葉に反応することは、発語を促すために重要です。お子さんが言葉を使って意思を伝えると、積極的に聞き入り、興味を示すことが大切です。
お子さんが話したことに対し、肯定的な反応や共感を示すことで、言葉を使う意欲を高めることができます。
また、お子さんの発言に対して質問を投げかけることで、積極的なコミュニケーションを促すことも有効です。

いいまちがいを指摘しない

発語を促すためには、お子さんの言葉に対していいまちがいを指摘しないことも大切です。間違いを正しい形で示されると、お子さんは否定されるように感じられてしまい、発言することへの抵抗感が生まれます。
代わりに、お子さんの言葉に対して興味を持ち、理解を示すことが重要です。自信をつけさせることで、積極的な言語発達を促すことができます。
ただし、ときには適切なフィードバックを与えることも大切なため、状況やお子さんの感情を考慮しながら行うべきです。

先回りしてしゃべらない

先回りしてしゃべらないことも、発語を促すために重要です。お子さんが自分の言葉で表現する機会を与えましょう。お子さんのペースに合わせて待ち、自分から言葉を代わりに使わないようにしましょう。
これによって、お子さんは自信を持ち、自ら言葉を使おうとする意欲が高まります。
また、お子さんの発言に注意を払い、興味を示すことも重要です。
お子さん自ら感じる喜びや達成感が、言語発達を促す大きな要素となります。

絵本を読み聞かせる

絵本を読み聞かせることも、発語を促すために効果的です。お子さんは絵本のストーリーやキャラクターに興味を持ち、言葉の豊富さや文法の構造を学びます。
読み聞かせを通じて、お子さんは新しい言葉やフレーズを聞き、自分で使ってみる機会が与えられます。
また、絵本は想像力や創造力を刺激し、お子さんが自分自身の意見や感情を表現するきっかけにもなるでしょう。
絵本を通じた読み聞かせは、言語発達やコミュニケーション能力の向上に貢献します。

短い単語を使う

短い単語を使うことも、発語を促すために効果的です。お子さんには発音や言葉の理解がまだ十分でない場合もあるため、簡潔な単語を使うことでお子さんの理解をサポートできます。
たとえば、代名詞や基本的な名詞など、一語で表現できる単語を使いましょう。
また、言葉のスピードやリズムも大切です。ゆっくりとしたペースで、単語同士の間に適度な休止を入れることで、お子さんが言葉を聞き取りやすくなります。
簡潔かつリズミカルな単語の使用は、お子さんの発話やコミュニケーション能力の向上につながります。

発達障害が発語の遅れの原因でない場合もある

今回は、発達障害と発語の関連性について解説してきました。
発語の遅れには、さまざまな原因が考えられます。たとえば、聴覚障害がある場合は音声情報へのアクセスが困難であり、対人関係の困難や知的障害・発達障害も発語の遅れを引き起こす可能性があります。

また、機能障害や周囲の環境の影響も考慮しなければなりません。総合的な視点で評価して、適切なサポートを提供することが重要です。

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