発達障害のお子さんが絵を上手に描けない理由

公開日  更新日

発達障害(神経発達症)が知られるようになってきたのは、ごく最近のことです。発達障害のお子さんとの関わり方や、具体的な支援について悩んでいる方は多くいらっしゃいます。

「発達障害のお子さんが絵を上手に描けない理由は?」
「発達障害のお子さんが絵を上手に描く方法は?」
「発達障害のお子さんにおすすめのグッズを知りたい」

本記事では、発達障害と絵の関連性について解説していきます。
放課後デイサービスに興味のある方、申し込みを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

発達障害のお子さんが絵を描けない理由

まずは早速、発達障害のお子さんが絵を描けない理由を解説していきます。これについて考えられる理由は、以下の3つが挙げられます。

  • 視覚処理能力に問題があるから
  • 集中力や注意力がないから
  • 文房具や画像に嫌悪感を抱くから

それぞれ見ていきましょう。

理由①視覚処理能力に問題があるから

発達障害のお子さんが絵を描けない理由のひとつに、視覚処理能力の問題が考えられます。
視覚処理能力には、図形や空間の認識、視覚刺激の統合などが含まれます。

発達障害のお子さんには、視覚情報を適切に処理するための脳機能に異常があるため、視覚的な細部や関係性を把握する能力がほかの人とは異なります。そのため、絵の描き方や構成、パースの把握が独特です。

しかし、発達障害のお子さんにはそれぞれ異なる特性や強みがあるため、個別のサポートやアプローチが重要です。もしかすると、誰にも描けないような、発想豊かな絵ができあがるかもしれません。

理由②集中力や注意力がないから

発達障害のお子さんが絵を描けない理由のひとつに、集中力や注意力の欠如が考えられます。
発達障害のお子さんは、刺激に敏感であり、注意を長時間集中することが難しい場合があります。絵を描くには細かな動作や細部への注意が必要ですが、集中力が低いためにそれらを維持することが難しくなります。

また、興味関心の移り変わりが早いことも注意力を妨げる要因です。個別のサポートや工夫を行いながら、お子さんの関心を引きつけ、集中力を伸ばす方法が重要です。
専門家のサポートを受けることで、お子さんの絵画能力を発展させる手助けができます。

理由③文房具や画像に嫌悪感を抱くから

発達障害のお子さんが絵を描けない理由のひとつに、文房具や画像に嫌悪感を抱くことがあります。発達障害のお子さんは、感覚過敏や特定の刺激に対する敏感さを持つことがあります。
そのため、特定の匂いや触感、視覚情報に対して嫌悪感を抱くことがあります。

文房具のにおいや紙の触感、または絵画やイラストに描かれた細部や色彩が彼らにとって耐え難い刺激となることがあります。これにより、絵を描く行為そのものが困難となるでしょう。

個別のサポートや環境の調整が重要であり、特別な文房具や絵画教材を使用するなど、お子さんの感覚過敏に配慮したアプローチが必要です。

関連記事:発達障害のお子さんの就学先の種類と準備しておくこと

発達障害のお子さんが絵を上手に描く方法

ここからは、発達障害のお子さんが絵を上手に描く方法を見ていきましょう。
主な方法としては、以下の3つが挙げられます。

  • 絵のスクールに通う
  • 集中力のトレーニングをする
  • 絵を描くことが面白く感じるグッズを使う

それぞれ解説していきます。

方法①絵のスクールに通う

発達障害のお子さんが絵を上手に描く方法のひとつは、絵のスクールに通うことです。
絵のスクールでは、プロの指導者が個別のアプローチやテクニックを教えてくれるため、お子さんの絵画能力が伸びることが期待できます。
また、グループレッスンを通じてほかのお子さんたちとの交流も生まれます。
これにより、社交性やコミュニケーションスキルの改善にもつながるでしょう。
絵のスクールは、お子さんの関心や個性に合わせたカリキュラムを提供し、ポジティブな環境で成長をサポートします。
専門指導の下での絵の学習は発達障害のお子さんにとって貴重な経験です。

方法②集中力のトレーニングをする

発達障害のお子さんが絵を上手に描く方法のひとつは、集中力のトレーニングをすることです。集中力は絵を描く際に重要な要素であり、短時間でも集中して取り組めるように訓練することで、絵の質と技術を向上させることができます。
集中力のトレーニングには、ゲームやパズル、マインドフルネスなどさまざまな方法があります。
また、環境の整備も重要であり、静かで刺激の少ない場所で作業することが有効です。
定期的な練習と継続的なサポートを通じて、発達障害のお子さんの集中力を向上させ、絵を上手に描く能力を育んでいきましょう。

方法③絵を描くことが面白く感じるグッズを使う

発達障害のお子さんが絵を上手に描く方法のひとつは、絵を描くことが面白く感じるグッズを使うことです。たとえば、特殊なペンや筆、色鉛筆のセット、光る絵の具など、創造力を刺激するツールを使うことで、お子さんの興味やモチベーションが高まります。
また、絵を描く際に使うキャンバスや紙も選ぶポイントです。
特殊な質感やパターンのある紙など、絵の世界をより魅力的にするグッズを選びましょう。
お子さんが絵を描くことを楽しく感じる環境づくりは、創造力や表現力の発展につながります。
彼らの個性に合わせたグッズを選ぶことで、絵を上手に描く能力を引き出しましょう。

発達障害のお子さんにおすすめのグッズ

ここからは、発達障害のお子さんにおすすめのグッズを2つご紹介していきます。

  • 木製のホワイトボードや黒板
  • 水のペンで描けるグッズ

それぞれ確認してください。

木製のホワイトボードや黒板

発達障害のお子さんにおすすめのグッズのひとつは、木製のホワイトボードや黒板です。お子さんの絵や文字の練習に適しており、「文字を書く・絵を描く」練習に役立てられるでしょう。

木製のボードは落ち着いた雰囲気を醸し出し、長時間集中できる環境を作るのに役立つでしょう。また、触れたときに嫌な音が出ないこともポイントです。

マーカーやチョークを使って絵や文字を描くことで、手の動きや筆圧を練習することができます。
さらに、ホワイトボードや黒板に描いた絵や文字を消すことができるので、繰り返し練習できるのも魅力です。

これらの木製のグッズを使うことで、お子さんの創造力や表現力を育みながら、絵や文字のスキルを向上させましょう。

水のペンで描けるグッズ

発達障害のお子さんにおすすめのグッズのひとつは、水のペンで描けるグッズです。これは水を入れたペンで特殊な紙に描くことができるもので、安全で簡単に楽しめます。
水のペンはシンプルで使いやすく、絵を描いたり文字を書いたりできるのが特徴で、描いた絵や文字はしばらくすると蒸発して消えるため、何度でも描き直すことができます。
これにより、失敗を気にすることなく挑戦し続けることができます。
水のペンで描くことは、お子さんの手の動きや筆圧の練習にもなります。
創造力や表現力の発展に役立つうえ、安全で環境にもやさしいグッズです。

発達障害のお子さんの絵を上達させるためには

ここからは、発達障害のお子さんの絵を上達させるためにはどうすれば良いかを解説していきます。主な方法は以下の3つです。

  • 両親の声掛け
  • 部分的に褒める
  • 興味・関心を示す

それぞれ確認してください。

両親の声掛け

発達障害のお子さんの絵を上達させるためのポイントのひとつは、両親の声掛けです。お子さんに対して絵を描くことを積極的に促したり、完成した絵に対して認める言葉をかけたりすることが大切です。
両親の関心や応援は、お子さんの自信やモチベーションを高める効果があります。

また、絵に関する具体的なフィードバックやアドバイスもときにはモチベーションを高めるでしょう。
両親の声掛けは、お子さんとのコミュニケーションの一環としても重要です。

部分的に褒める

発達障害のお子さんの絵を上達させるためには、部分的に褒めることも重要です。部分的に褒めるとは、絵の特定の要素や技術に焦点を当てて褒めることを意味します。

たとえば「この絵の色使いが素晴らしいね」や「このキャラクターの表情がとても上手に描けているよ」といった具体的な褒め言葉を使いましょう。
これにより、お子さんは自分が成長していることを実感し、やる気や自信を持つことができます。
ただし、過度な褒め言葉は逆効果になる場合もあるため、バランスを保つことが重要です。

お子さんの努力や工夫を認めながら、少しずつ成長していけるように支援しましょう。

興味・関心を示す

発達障害のお子さんの絵を上達させるためのポイントのひとつは、興味や関心を示すことです。お子さんが絵を描くことに興味を持っていると感じたら、積極的に関わり、サポートしましょう。
お子さんの作品に対して興味を示し、質問などをすることで、自己表現の促進や創造力の発揮が期待できます。

また、お子さんの作品を大切に扱い、展示するなど多くの人に見てもらえる場を提供することも重要です。

興味と関心を示すことは、お子さんの自信やモチベーションを高めるだけでなく、絵を通じてより深い親子の絆を築くことにもつながります。

発達障害で絵がうまく描けなくても将来には関係ない

発達障害で絵が上手に描けなくても将来には関係ありません。当然、絵がうまく描けるかどうかは、一人の人間のすべてを決めるわけではないわけです。将来の成功や幸福は、多様な才能や能力によって築かれます。発達障害を持つお子さんたちは、絵以外の分野で優れた能力を持っていることもあるでしょう。

そもそも、抽象画とデッサンや、デザインと塗り絵など、絵でも必要とされるスキルは多種多様です。さまざまな才能を発見して、お子さんたちの興味や関心を大切にすることが重要といえるでしょう。
発達障害を持つお子さんたちが、自分らしい道を見つけ、自信を持ち、個々の強みを発揮できるようにサポートすることが大切です。

発達障害のお子さんが上手に絵を描けない理由は視覚処理能力の特異性や集中力の欠如

今回は、発達障害と絵の関連性について解説してきました。発達障害のお子さんが上手に絵を描けないもっとも考えられる理由は、視覚処理能力の特異性や集中力の欠如です。視覚処理能力の特異性は、図形や色彩の認識や再現に影響を与えます。
また、集中力の欠如は絵を描く際の継続的な注意力を妨げることがあります。それゆえに、発達障害のお子さんには個別のサポートや学習戦略が必要となるでしょう。
絵画教育においては、視覚的なサポートや集中力を向上させる方法、グッズの工夫などを取り入れることが重要です。

ファミリー・キッズでは、障がい児通所支援事業所を展開しております。楽しく遊び・学び・育みながらお子様一人ひとりの成長や自立のお手伝いをしております。気になる方はぜひお問い合わせください。

ファミリーキッズの放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスは学校に就学している障がい児に対し、個別活動や集団活動を通して「日常生活での基本的な動作の指導や自立支援」や「集団生活への適応に向けた支援」などを行う障害福祉サービスです。

ファミリー・キッズでは「家庭的な環境で安心して過ごしていただく」ということを心掛けており、
楽しく遊び、学び、育みながら、お子様に内在している潜在能力を最大限に引き出します。

ファミリー・キッズでは、以下の地域で放課後等デイサービスを運営しています。

神奈川県のファミリー・キッズ

放課後等デイサービス 伊勢原
放課後等デイサービス 海老名
放課後等デイサービス 茅ヶ崎
放課後等デイサービス 座間
放課後等デイサービス 愛川
放課後等デイサービス 綾瀬
放課後等デイサービス 南林間
放課後等デイサービス 秦野
放課後等デイサービス 相模原
放課後等デイサービス 藤沢
放課後等デイサービス 平塚
放課後等デイサービス 厚木
放課後等デイサービス 湘南
ショートステイ ファミリーキッズ伊勢原

福島県のファミリー・キッズ

放課後等デイサービス 会津若松
放課後等デイサービス 喜多方
放課後等デイサービス 郡山
放課後等デイサービス 会津

相談支援事業所

ファミリー・サポート湘南
相談サポートセンター ファミリー会津
相談ファミリー・サポートセンター郡山

放課後等デイサービスの利用に関してお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

目次