社会福祉士に向いている主な転職先を紹介

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社会福祉士は、福祉系の国家資格を取得することで携われる、福祉に関わるとてもやりがいのある職業です。仕事は主に福祉施設や機関などで利用者さんの相談を聞き、利用者さんと社会とのパイプ役にもなります。
しかし、従事者の中には給与面や仕事の大変さから、社会福祉士の仕事が合わず、転職を考えている方もいるでしょう。この記事では、社会福祉士の実際の主な転職先や、向いている一般職をご紹介します。ぜひ転職の参考にお読みください。

目次

社会福祉士が転職を考える理由

社会福祉士は、身体的や精神的な障害があり、日常生活において支障がある人から相談を受け、アドバイスや指導を行う社会福祉専門の国家資格です。
社会福祉士試験の合格率は、介護福祉士や精神保健福祉士に比べると低いため、資格取得の難易度が高いといえます。しかし、いざ資格取得後に社会福祉士として実務を経験すると、専門性や給料面に不満を感じ、社会福祉士からの転職を考える方も一定数いるのが実情です。
例えば、社会福祉士は資格の所持者しかできない業務がありません。そのため、仕事に給与が反映されにくいことが挙げられます。また、さまざまな経験を積んで初めてできるようになる仕事であるにもかかわらず、現場では経験が浅い場合であっても大きな責任が課せられる業務内容であるため、精神的負担が大きい点が挙げられます。

社会福祉士として転職する方法

転職を考える社会福祉士の中には、仕事内容は変えずに職場だけ変更したい方もいるでしょう。ここでは、社会福祉士として転職する場合の求人の探し方を解説します。

ハローワークなどに問い合わせる

求人を探す方法の1つ目は、ハローワークです。
ハローワークで紹介される仕事の中にも、社会福祉士としての仕事があります。社会福祉法人として転職したい場合は、ハローワークの端末で「資格を保有した求人情報」を利用すると、資格に適した求人が表示されます。
また、求人に関する質問や内容を詳しく知りたいときは、窓口で担当者に直接相談をするとスムーズでしょう。求人の中にはハローワークにしか出ていないものもあり、窓口では担当者の方からおすすめの求人を案内してもらえることもあるので、ぜひ一度窓口で聞いてみましょう。

求人企業をチェックする

求人を探す方法の2つ目は、求人サイトに出ている求人企業のチェックです。
求人サイトは、家にいながら簡単に求人検索ができ、勤務地や労働条件などを詳細入力すれば、より自分の希望に近い求人が見つかります。また、サイトによっては企業と直接やり取りできるので、お互いの条件が合えば、スピーディーに採用が決まることもあります。たくさんの求人サイトがあるので、まずは大手の求人サイトをいくつか見てみましょう。求人エージェントによっては、希望に見合った転職先を紹介してくれるところもあります。

児童関連や福祉施設のホームページをチェックする

求人を探す方法の3つ目は、児童関連施設や福祉施設のホームページです。
今ではどの施設もホームページを持っており、タイミングによってはトップページに求人情報を掲載している場合があります
ホームページの場合、直接問い合わせや応募するためのフォームやリンクがあるので、説明を読んで応募しましょう。フォームからの応募は、企業に対してよりやる気が伝わりやすくなります。また、地域によっては施設数が多いため、自分の希望条件にマッチした求人を探すには、まずは働きたい地域などで施設を絞って検索すると効率よく探せるでしょう。

社会福祉士の主な転職先

社会福祉士の資格や知識を活かせる転職先はたくさんあります。
職場によっても働きやすさは大きく異なりますので、それぞれの転職先の特徴を知ることで選びやすくなるでしょう。ここでは主な転職先を以下の6つ紹介します。

  1. 医療機関
  2. 地方公共団体
  3. 介護施設・高齢者福祉施設
  4. 児童福祉施設
  5. 障がい者福祉施設
  6. 地域包括支援センター

①医療機関

社会福祉士の転職先の1つ目は、医療機関です。病院や保健所をはじめとする医療機関における社会福祉士は「医療ソーシャルワーカー」として活躍できます。医療ソーシャルワーカーの仕事は、主に病院を利用する患者や家族の経済的問題や社会的問題、転院や通院のアドバイスや退院後の相談など、幅広い相談に応じます。
具体的には、転院のアドバイスでは他の病院との連携調整や、高額な医療費にする免除制度の紹介などのサポートなどが想定されるでしょう。該当する相談内容は、医師による病気の治療面以外の領域である生活サポート面の対応全般で、柔軟な対応力が求められます。

②地方公共団体

社会福祉士の転職先の2つ目は、地方公共団体です。地方公共団体で働く社会福祉士は、都道府県や地方自治体の福祉事務所、市役所などの福祉課などで「公務員」として働けます。
公務員は収入が安定しており、福利厚生がしっかり整備されているため、休みも確保しやすく、ワークライフバランスが実現しやすいでしょう。
主な仕事には地域住民の福祉に関係する相談業務などがあります。詳しい業務内容は所属先によって異なるので、求人があった場合は仕事内容をよく確認しましょう。また、仕事の中には一般的な事務作業も多くあります。市役所などで働く場合は、業務内容や対応する案件は特に幅広いので、専門的な知識だけでなく臨機応変な対応力が求められます。

③介護施設・高齢者福祉施設

社会福祉士の転職先の3つ目は、介護老人施設や特別養護老人ホームなどの高齢者施設です。介護系の施設では「生活相談員」として勤務ができます
主な仕事内容は入所関連の事務手続きです。利用者さんの入所前の面談や施設内の見学案内、入所手続き対応をはじめ、入居者の家族の方とのやりとりなど幅広い業務内容となっています。利用者さんが長くお世話になる施設を選ぶため、家族の方へも丁寧で詳細な説明が必要となります。また、入居中だけでなく、利用者さんの退所後における生活もサポートします。

④児童福祉施設

社会福祉士の転職先の4つ目は、児童福祉施設です。
児童福祉施設は、児童福祉法に基づいて「児童福祉」に関する事業を行う施設であり、保育所や児童自立支援施設、児童養護施設などのさまざまな施設があります。施設の種類が多いので、どの施設を選ぶかで仕事内容が異なることを覚えておきましょう。
児童福祉施設では、児童やそのご家族の方から相談を受け、課題解決のための支援がメインとなります。状況によっては児童相談所と連携し、施設に入所せざるを得なくなった児童やそのご家族へ支援を行うこともあるでしょう。
また、地方公務員試験で合格すれば、「児童相談所」で働くことも可能です。
児童相談所での主な仕事内容は、問題を抱えている児童や家族の相談、家庭環境の調査などが中心です。児童が抱える問題の中には、親による虐待や不登校などさまざまあり、一人ひとりの問題に適切な対応をしていく必要があります。

⑤障がい者福祉施設

社会福祉士の転職先の5つ目は、障がい者支援施設です。
障がい者支援施設の中には、身体障がいや知的障がい、精神障がいなどを対象とした施設があります。具体的な仕事内容は施設によって異なりますが、どの施設においても利用者に対し、必要な支援を提供します。なお、勤務時間や仕事内容は施設によって異なるため、転職の際は、求人の内容をよく確認しましょう。

⑥地域包括支援センター

社会福祉士の転職先の6つ目は地域包括支援センターです。
地域包括支援センターとは、市町村が設置している、高齢者が地域で円滑に生活できるように援助を行う施設です。この施設では、社会福祉士をはじめ、ケアマネージャーや保健師などが働いています。
地域包括支援センターでの社会福祉士の仕事は、主に介護や福祉サービスに関する相談対応です。相談は、窓口対応や電話対応だけでなく、相談者である高齢者の状態に応じてお宅に訪問して相談を聞くこともあります。相談内容によっては、保健師やケアマネージャーと一緒に業務に取りかかることがあるため、他業種との連携も必要です。
高齢者やその家族が抱える生活での悩みや問題は、幅広くあります。社会福祉士は、話を聞いて、生活習慣の改善をはじめとする介護予防プランの作成など、柔軟に対応する必要があります。

社会福祉士が向いている一般職とは?

社会福祉士は、福祉系だけでなく一般職への転職も可能です。
ここでは、社会福祉士が向いている一般職を解説します。

サービス業

転職に向いている職業の1つ目はサービス業です。
相談対応のスペシャリストである社会福祉士だからこそ、人と関わる仕事であるサービス業は、転職におすすめといえます。社会福祉士であれば、お客さんの話や様子を伺うことで「お客さんが何を求めているか」を即座に把握し、動けるでしょう。
またサービス業といっても多種多様であるため、自分が好きな分野のサービス業を選べば楽しく働けるでしょう。しかし、サービス業は基本的にシフト制であり、休日出勤の平日休みであることが多いため、転職後に出勤曜日が不規則になることにより、生活リズムが崩れる場合があります。そのため、勤務に関しては事前によく確認しておくことが大切です。

保育士

転職に向いている職業の2つ目は保育士です。
社会福祉士の意外なスキルが保育環境でも活かすことが可能です。保育士として働くには「保育士資格」の取得が必要になります。その際、社会福祉士の資格を保持していれば、筆記試験科目の「社会福祉」「社会的養護」「児童家庭福祉」が免除になるので覚えておきましょう。
保育士の仕事内容は、お子さんの保育だけでなく、保護者への子育て支援などもあります。相談に長けている社会福祉士であるからこそ、保護者へのフォローはお手の物でしょう。また、相談の内容によっては行政支援などの案内ができるのも社会福祉士の仕事の強みと言っていいでしょう。

事務職

転職に向いている職業の3つ目は事務職です。
社会福祉士は、相談対応の他は基本的にパソコンを使用した事務仕事がメインです。そのため、一般事務であっても基本的な仕事のスキルは持ち合わせているため、難なく仕事ができるでしょう。
また、基本的にはデスクに座って仕事をすることから、体力に自信がなくても問題なく続けられることもメリットです。事務職の中には、介護施設での事務である「介護事務」もあります。介護の環境下で、社会福祉士としての経験やスキルを活かしてできる事務であるため、おすすめです。

転職先見極めるポイント

社会福祉士の転職先にはさまざまありますが、選ぶ際にはきちんと見極めなくてはいけません。ここでは、転職先を見極めるポイントを2つご紹介します。

人手不足ではないか

福祉関係の仕事は基本的に多く、職場によっては人手不足が深刻となっているところもあります。そのような職場では、社会福祉士に任される業務量も多くなる傾向にあります。また、業務量に対して職員の人数が足りていないと、一人の負担が大きくなってしまうため、注意が必要です。
転職を考える方の多くには、休憩は決まった時間に取れるのか、残業は多くないか、休日出勤はないか、などの点を重視したい方は多いでしょう。
仕事とプライベートを上手く両立させるためには、業務量や職員数に問題ないかの確認が大切です。転職先を探す際は、職場の雰囲気や実際に働いた感想などの口コミも参考にして、慎重に決めましょう。

支援はどのような人が対象か

社会福祉士が支援する対象は児童から高齢者まで幅広いため、転職を検討する際は、自分はどのような人を支援したいのかを事前に決めておきましょう。
基本的には、児童と高齢者の施設は別になり、それぞれに分けても施設数は多く、選択肢が多岐に分かれます。そのため、どの対象者を支援するかで実際に自分が働く職場が絞られるので、求人が探しやすくなり、志望動機も明確になるでしょう。支援対象者の特定ができない、または、幅広い年齢層の人の力になりたいという方は、福祉課や行政機関など「公務員」を目指すことがおすすめです。

社会福祉士の転職先は多数!誰を支援したいかで決めよう

今回の記事では、転職を検討している社会福祉士におすすめの転職先について、福祉職と一般職の両方を紹介しました。社会福祉士は、お子さんから高齢者まで幅広い年齢層の悩みを聞き、対応するスペシャリストです。社会福祉士は、資格の保有者だけができる仕事というものはありませんが、身に着けたスキルをもとに活躍できる場所がたくさんあるのがメリットです。
また、支援する対象はお子さんから高齢者まで幅広いため、転職の際にはどんな人を支援したいのか決めておくことで求人を探しやすくなります。人の悩みを聞き、対応するスキルは、どの職場でも求められています。転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

運営会社

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